政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「ちょろすぎ」
くくっと喉を鳴らして笑った秋瀬くんは、まっすぐキッチンへ向かった。冷凍庫から取り出したのは、見かけないパッケージのお高そうなアイス。
「俺の部屋に置いておくから、食べたいなら取りに来な」
「えっ、ちょっと……!」
この男にこういう一面があるのをすっかり忘れていた。
本当に部屋へ向かう秋瀬くんを慌てて追いかける。
廊下で奪ってやろうと思ったのに、そんな私の企みを察したのか、片手でアイスをふたつとも頭上に持ち上げてしまった。そうなると私の身長では届かない。
「秋瀬くんっ」
背伸びする私を、秋瀬くんがこの上なく意地悪な顔で見つめる。
「そういうことするから、俺にいじめられるんだよ」
「あっ」