今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)

 潤ちゃんは大袈裟に顔を顰めて、嫌だと言いたげに片手を振った。

「うん、ありがとう。大丈夫」

 陽茉莉はにこりと笑ってお礼を言う。

「今度、ふたりで遊びに来てね」
「そうしたいところなんですけど、子供の世話があるから無理なんですよ」

 陽茉莉はありがたい申し出に、眉尻を下げる。

「子供? 彼の?」

 潤ちゃんは驚いたように目を見開く。

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