今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
「え? よく知っていますね?」
陽茉莉はハーフムーンに行くときだけでなく、普段のちょっとした飲み会でも最初からジントニックを頼むことが多い。あまり強くないので、ビールの後にすると飲めなくなってしまうことがあるからだ。
「まあ、何回か一緒に飲みに行っているし……」
相澤はなぜか言葉尻を濁した。
注文は若手がまとめて取ることが多いので、まさか知っているとは思っていなかった。
そのとき、陽茉莉はカクテルメニューのページに最近知ったお酒の名前を見つける。
「あ、私、これにしようかな。ミモザ」
「ミモザ? 珍しいね」
「はい。最近、行きつけのバーで教えてもらったんです。この前初めて飲んで、甘くて美味しかったから」
「行きつけのバーって、あの大柄のママがいるところ? えーっと、フルムーン」
「ハーフムーンですよ」