今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
 整髪料をつけずに無造作に下りた髪のせいか、普段より少し幼く見える。

(楠木さーん、オフでぐでっとしているときはこんな感じみたいです!)

 陽茉莉は心の中で、会社で隣の席に座る噂好きな楠木さんに報告をする。みんなが知りたがっている姿を見られるなんて、なんとなく得した気分。

「フレンチトーストを作ったんです。好きですか?」

 陽茉莉は相澤に見せるように、お皿を持ち上げる。

「フレンチトースト? 俺の分も作ってくれたの?」
「はい。もちろん」
「ありがとう。美味しそうだね」

 相澤は片手を首の後ろに当て、嬉しそうにはにかむ。その様子を見て、嫌いではなさそうだと陽茉莉はほっと胸をなで下ろした。

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