運命の一夜を越えて
女の子はエレベーターを先に降りるときに「ばいばい」と手を振ってくれた。

大きな手で、少しかがんでその女の子に手を振る渉。



胸がずきずきと痛んだ。

まだ、渉と出合う前。
本気で誰かを好きになることを知らなかったころ。

それでも私はいつか出会うかもしれない”誰か”との子供が私には産めないという現実に苦しいことがあった。

それだけが女性の幸せじゃないとわかっている。
子供のいない人だってたくさんいることをわかっている。

でも・・・
私は・・・いつか出会う好きな人の子供が産めない自分を欠陥品のように思わずにいられなかった。
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