運命の一夜を越えて
次の日、私は渉と一緒に病院から私たちの自宅へと帰った。
荷物を持ってくれたり、いつも以上に運転が慎重だったりする渉から、言葉はなくても私を考えてくれていることが伝わってくる。

「仕事なんだけど・・・」
家に帰り、部屋着に着替えてから私はソファに座っていた。
渉が一日留守にしている間にたまっていた家事を率先してやってくれている。
私が手伝おうとすると鋭いまなざしを感じて、私は自らソファに座った。

忙しそうに歩き回っている渉が私にブランケットを持ってきてくれて、膝にかけてくれた。

「ありがとう」
そう伝えても、いつものように微笑みかけてはくれない渉。
少し険しい顔のまますぐに浴室に向かって洗濯を始めた。

渉が少しだけ動きが落ち着いた頃合いを見計らって私は話かけた。

遠慮がちに話しかけた私に、渉は体をピクリと反応させてから、私の方を見た。
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