運命の一夜を越えて
『仕事、忙しいんだろ?』
「・・・はい」
どうして知っているのか不思議に思いながらも、距離をとるために私は返事をする。

忙しいから郵送でいいとなることを期待しているからだ。

『今日、戸田さんの会社とリモートで仕事の打ち合わせだったんだ。社員総出でクリスマスまでは残業しながら準備してるって聞いた。』
そうだった。
この人は私の会社の取引先の人だった。

私の勤める化粧品会社は海外にも商品を輸出している。

クリスマスに向けて海外でも販売がスタートする商品を、この人の貿易会社を介して発送するんだった・・・。

『仕事はクリスマスの日に落ち着くって情報仕入れたんだ。』
「・・・」
確かにそれまでがピークで、クリスマスには仕事が落ち着く。
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