運命の一夜を越えて
「じゃあ、ウーロン茶二つで」
そう店員に伝える瀬川渉。
「あの、お酒飲んでいいですよ?別に気にしませんから。」
私に遠慮しているのだろうか。気をつかっているのだろうか。

この前のレストランでも、おいしそうにワインやシャンパンを飲んでいたのを知っているだけに、お酒を飲まないことを不自然に感じて私は声をかける。

「気遣い上手だな。」
「違います。気をつかわれるのが嫌なだけです。」
「俺も飲みたいの、ウーロン茶。」
また押し問答になったら面倒だ。

私はあーそうですかーと心の中で言いながら黙った。

「あのさー」
「はい?」
「何歳?」
「え?」
「いやーちゃんと年齢知らなかったからさ。俺より年下だろうって憶測で話してたから。あっ、俺は27歳ね。」
「・・・25です」
「やっぱり、俺より年下だ。」
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