運命の一夜を越えて
『あなたとこの子をのこして逝くことが・・・心残りでなりません。』

生まれてくる我が子を想いながら残したメッセージ。
そして、渉へのメッセージは自分がいなくなってからの渉のことを考えてのこしていた。

どうか悲しみにとらわれず前に進んでほしい。未来に進んでほしい。
幸せをつかむことに後ろ向きにならないでほしいと、そう願って録画した動画だった。

まさか、一緒に、私の大好きな渉の胸に抱かれてあのメッセージを観れるなんて思ってもいなかった。

『渉ともっと一緒にいたい。そばにいたい。この子を抱っこしたい。この子の成長が見たい。私、どんどん欲張りになっちゃう・・・。私・・・生きたい・・・。』

「どうした?つかれた?休むか?」
少し足取りの遅れた私に気づいて渉が足を止める。

首を横に振り微笑むと、渉は私とつないでいた手を離した。


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