最後の悪夢

蛇口を捻って水を止める。もう鬼が胸の辺りまで浸かるくらいの十分の水が、浴槽には溜まっていた。


俺はドライヤーの電源を入れて、温風を出す。



どうしてこんな方法を──人を殺す方法を知っているのか。

俺が死にたかったときだ。
俺が走れないと思って、死にたくなって調べた自殺の方法。


水の入っている浴槽。
電源を入れたドライヤー。




震える息を吐いて、目を瞑る。


俺は温風を吐くドライヤーを、無造作に浴槽に投げた。
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