最後の悪夢
でもこれで誰かが助かるなら、俺は、いくらでもこうするかもしれない。
楽しいわけではないさ。
苦痛だとは思うよ。今だってこんなに気持ち悪くて。
でも、安心するじゃん?
走っていても楽しいわけではない。
肺が引きちぎれそうな思いで、自分を苦しめながら走るんだ。
自分の限界を試して、ベストを出せれば俺は俺にもっと自信を持てるから。
人を殺しても楽しいわけではない。
肉が焦げたような死体の異臭に耐えきれず吐いて、罪悪感が込み上げてきてまた吐いて。馬鹿みたいに苦しくて涙も出てきて。
でも俺ももうよく分からない。
人殺しでもいいかもしれない。これで花巻は鬼に会うことはなくなった。一人でも助かったかもしれないんだ。苦しいけど、安心する。
この感覚は、手放したくない。