最後の悪夢

ぐらぐらと視界が揺れる。目の前に果てしなく続く階段。足が悲鳴をあげていた。スピードが落ちるのを感じていた。


凛上もそんな私に気づいた。途中で私の腕を掴んで引っ張る。物凄い力だった。



踊り場に出て視界の隅で踊る4F、5Fの文字。すぐ後ろに鬼がいる。もう四、五メートル先。

金属バットを引きずって階段に打ち付けて、カアンカアンと響き渡る鈍い音が、近づいてくる。殺される!!!



「来て!!」


犬が吠えたような声が私達の上から降ってきた。
五階──シオンが階段の上に立っていた。



見れば階段のスロープに縄のようなものをくくりつけて、その先を手に持っている。
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