最後の悪夢

なにをするかまではわからないまま最後の段を強く踏んで、五階に飛び込む。

シオンの隣を過ぎる。懐かしい匂いがした。同時に何か嫌な臭いもした。が、そんなの関係なかった。


勢いあまってそのまま床に倒れ込む。


それでもいつ追い付かれるかと思うと余裕もなく、起き上がって階段の方を見る──瞬間、シオンが持っていた紐を引っ張って、スロープに結び付いたそれをピンと張って、鬼が引っ掛かったのである。

鬼もまた勢いがあった。引っ掛かってそのまま前のめりになり、倒れそうになったところを、シオンが思いきり右足で蹴り飛ばした。足に当たり鈍い音が響き渡る。


私は怖くなって目を閉じた。
見られなかった。
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