最後の悪夢

少し考えて、思い出した。
そういえば図書委員の仕事、今日だったっけ。

そして同じく図書委員の子が呼びに来てくれたのか。


「あ! あ、ごめんね! 忘れてた」



焦って椅子から立ち上がると、女の子にくすくすと笑われた。



「みさきちゃん、こういうの忘れなさそうなのに、意外だね」

「あはは、そうだね。私もあんまり忘れないんだけどな、普段」



苦笑いして返す。
二人で歩き始めると、女の子がさらっと、こんなことを言った。


「うん。なんかなんでもできる、ってイメージがあるし」


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