最後の悪夢
凛上のスマホの電源を切った。充電プラグは繋いだままで、バレないように元の位置にそおっと置いておいた。
画面は真っ暗になった。窓の外と同じ色だった。そこに不細工な自分の顔が映りこんだ。もう見たくなかった。
ちらりと部屋の隅の布団の方に目を向ければ、寝息を立てて目を閉じている凛上。罪悪感と羞恥心から、胸が張り裂けそうだった。
自分が幸せになってもいいのか分からなくなってきた。
凛上のスマホを勝手に見て、誰か他の女の子に目移りしていないかとか確認して。安心して。こんなずるい女最低じゃない?
いっそのことバレて「なにやってんだよ」って叱ってくれたら、私は楽になれたかもしれない。