最後の悪夢




夜ご飯を食べた後、二人で無言で敷布団を敷いていた。


その前に少し凛上がスマホを触っていたのを、私はしっかり見ていた。バレていないだろうか。不安になった。自分がやってしまったことがいかに愚かだったか、痛いほど分かった。

そうしてそんな私だから、自分で反省するだけでは足りなかったんだと思う。神様もそう思ったんだろう。因果応報。次に凛上が呟いた言葉、


「もしかして、俺のスマホ見た?」



頭が真っ白になった。
咄嗟に「違う」と否定することも「そうだよ」と思い切って打ち明けることもできなかった。何も言えなかった。怖かった。

凛上の目が見れなかった。布団を持つ手に力がこもる。
真冬みたいだった。体が冷たくて、吐く息が震えた。
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