最後の悪夢

「見たよ」


目が合うなり私は言い放った。
もう、限界だった。半分涙目で視界が滲んでいた。凛上の顔はよく分からなかった。怒っているような気もしたし、そうじゃない気もした。


「凛上くん、本当に私のこと好きなのか気になった。私は、好きです、凛上くんのこと......でもそんなこと言ったら私だって信じてもらえないよね?」


自分の言葉が引き金になって、自分に向かって言っているような気持ちになって、耐えきれずに涙が流れた。金切り声で言った私に、凛上が話しかけてきた。


「花巻との連絡の画面、閉じてなくて履歴にあったから。やっぱり花巻との繋がりが気になったってこと? 俺、言ったじゃん。花巻とはそういうのじゃないって。付き合ったこともないって」


丁寧に説明してくれている凛上に、私はとどめを刺すようなことを言った。


「......信じてなかったから」
< 399 / 456 >

この作品をシェア

pagetop