赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
今日も少し緊張したし、過ごす時間も増えるから来てくれるのは嬉しい。
じゃあどうして問題なのかというと…………今日、時々怖い顔をしていたから。
睨んでるわけじゃないんだけど、目に輝きがなかったというか。
好きなジャンルの話なのに、なんとなく目の奥が笑ってないように見えたんだ。
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帰宅してベッドに横たわり、スマホの電話帳を開く。
週に1度だけど、夏休み中も会うことに決まったため、先輩と番号を交換したのだ。
「…………四角関係かぁ」
ぼんやりと画面を眺めていると、柚季ちゃんが口にしていた言葉を思い出した。
四角関係はまずあり得ない。
もし先輩が私に好意を寄せているのなら、わざわざライバルを雑談会に招待しないはずだから。
嫉妬は……あるかも。
私も潤くんと千冬が楽しく話してた時、寂しいって感じたことがあるから。
見知らぬ人と仲良くなってたら多少はモヤモヤすると思う。
じゃあ、あの眼差しは嫉妬だったのかな……?