赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


今日も少し緊張したし、過ごす時間も増えるから来てくれるのは嬉しい。


じゃあどうして問題なのかというと…………今日、時々怖い顔をしていたから。


睨んでるわけじゃないんだけど、目に輝きがなかったというか。

好きなジャンルの話なのに、なんとなく目の奥が笑ってないように見えたんだ。



────
──



帰宅してベッドに横たわり、スマホの電話帳を開く。

週に1度だけど、夏休み中も会うことに決まったため、先輩と番号を交換したのだ。



「…………四角関係かぁ」



ぼんやりと画面を眺めていると、柚季ちゃんが口にしていた言葉を思い出した。


四角関係はまずあり得ない。

もし先輩が私に好意を寄せているのなら、わざわざライバルを雑談会に招待しないはずだから。


嫉妬は……あるかも。

私も潤くんと千冬が楽しく話してた時、寂しいって感じたことがあるから。

見知らぬ人と仲良くなってたら多少はモヤモヤすると思う。


じゃあ、あの眼差しは嫉妬だったのかな……?
< 129 / 316 >

この作品をシェア

pagetop