赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

揺さぶられた小望月




†††



「お2人とも、今回の成績はいかがでしたか?」

「無事、赤点は免れました!」

「僕も赤点なしでした」



男子会のような雑談会から2週間。

今、学校が終わって、沢村先輩と潤くんと3人で中庭に集まって談笑している。



「それなら夏休みは楽しめそうですね。夜城くんは転校生でしたが、もう学校には慣れましたか?」

「はい。最初は心配してたんですけど、風花と千冬がいたのですぐ慣れました。親切に勉強も教えてくれて、おかげで今回学年で20位を取れたんです」

「おぉ! それはおめでたい! 僕も今回調子良かったので、学年5位だったんですよ」



話のテーマは、もうすぐ夏休みってことで、今学期のテストの出来栄えについて。


中間と期末で勉強会をした成果が出たのか、全教科平均以上を取れて、無事赤点を避けることに成功した。


喜ばしい結果なんだけど……2人の順位を聞いた途端、上がっていたテンションがしゅーんと下がってしまった。

< 130 / 316 >

この作品をシェア

pagetop