星空とミルクティー
「さっき、なんで泣いてたの?」
「……泣いてない」
「ふぅん、そっか。じゃあ俺の見間違いか」
真っ直ぐに見つめてくる真雪の目が真剣で 、視線をそらす。
目を見たままだと、嘘も本当のことも言えない。
まるで説教でも食らっているかのように、向かい合ったまま縮こまる。
真雪の指はあたしの髪を巻き付けたまま、離れようとしない。
「……さ、寂しかったから」
「なに?」
「………………」
恥ずかしくて、二度も同じことは言えない。
テレビの音が遠くに聞こえるくらい、自分の心臓の音がうるさい。
うつむいたまま黙りを決め込んでいたら、真雪の手が離れて頬に触れた。
じわりと温かい体温が沁みて、顔を上げるように仕向けられる。
苦しそうな切なそうな、なんとも言えない初めて見る表情に、体中の血液が頭に上って、かぁっと顔が熱くなる。
「汐」
いつもと違う声のトーンで呼ばれて、心臓がぎゅっと握られたように痛んだ。
無意識に骨張った甲に手を重ねる。
安心したように小さくため息をついて、真雪の唇があたしの唇に触れた。