星空とミルクティー
昨日とは打って変わって、今日は早く家に帰りたかった。
定時の10秒前にバッグを持ち上げて、17時ちょうどにフロアを飛び出す。
普段なら見送るはずの、帰宅する学生でひしめき合う車両に飛び乗って息を整える。
駆け込み乗車をしたせいで少し注目を浴びて、息切れをごまかすように咳払いをした。
会社を出るまでは薄暗かった空は、最寄り駅に着くと日が沈んで真っ暗になっていた。
ぞろぞろと並ぶ学生の波に乗るように電車を降りると、無人の待合室に真雪が立っていた。
「汐、おかえり」
真雪のほうが早く仕事を終えるから、一緒に帰る約束なんてしていない。
待っていてくれたのか。ただそれだけなのに顔がほころぶ。