素直にさせないで
「よしっ!!さすがお前は、この俺様の一番の奴隷だな!!」
絶対的に服従する湊をバカも嬉しそうに頭をぐしゃぐしゃにして撫でている。
なんだ。この子もあのバカには逆らえない舎弟の一人か。
「結局、イケメンも不破ランドの一味か。」
ガッカリを否めずため息つくと、
「なんだその不破ランドって・・」
山崎先生が苦笑いを浮かべてると練習試合は始まる。
「いいか?!この試合で一番俺が点を取ったらお前は、マネージャー決定だからな!!!」
わざわざコートからベンチに戻ってきて、バカは私に偉そうに命令した。
「冗談でしょ!?誰がっ絶対無理!!!」
是が非でも断固拒否するが・・・
「おしっ!!ナイシューッ!!」
「いいぞ不破!!絶好調ぉ!!」
試合が始まったら、まるでバカの一人劇場のようだ。
アイツがゴール下でボールを持てば、身体を張ってポストアップし、時には相手をぶっ飛ばしながらも必ずリングに向かい、得点を量産していくが・・・
「こぉおらっ!!田村ぁあ!!この俺様にパスしろって言ったじゃねぇかぁあ!!」
ここまで不破の一人芝居かのように得点を決め続けていたが、チームメイトが得点を決めただけで、
「ごっ…ごめんなさいっ!ってかあんなゴール下のドフリーでシュートにいかない方がおかし」
ゴンッ!!!
「言い訳すんじゃねぇえっ!!奴隷の分際で!!」
バカに殴られてすっかり怖じ気つくチームメイトにも、チームプレーとは決して言えない傲慢なアイツを私は益々嫌いになる。