素直にさせないで





「ふっふっふ…これで、お前は俺様の奴隷マネージャー決定だな!!」

「だから!!勝手に決めないでよ。」
まるで赤ずきんを狙う狼のようなおぞましいバカの声が私にふってかかる。

「黙れブス!!約束破ったらスカート捲るからな!」
「なっ…バカ変態!!先生ぇっ!!これは立派な脅迫です!!いじめです!!すぐにこの男をベンチに下げて下さい!!」

「でっでも…もう不破が30点取ってるし、ここで下げても、負けることもないだろうし…」
私は是が非でも先生に訴えてると、涼しい顔で水筒を飲んでいた湊がこちらに気付き不思議そうな顔をしてやってきた。


「…嫌なんですか?不破さんのマネージャー…」

「当たり前じゃない!!私は不破を恐れて服従しかできないあんたらとは違う!!自分の意思の尊重ができなかったら死んだも同然じゃない!!」

「…そう、ですか…」
なぜか少し残念そうな顔をして、試合開始のブザーが鳴り響くとコートに戻ってく。

下級生相手にちょっと嫌味言い過ぎたかとも一瞬思ったが、私は不破ランドに生息する奴らは敵だと思っているので致し方ない。


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