契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 ドレッシングはオリーブオイルにお酢、砂糖と塩と黒コショウをボールに入れ白っぽくなるまで泡だて器でかき混ぜる。

 そこに水を切っておいた野菜を入れ、手で下のほうから優しくすくい上げるようにふわっと和え、それを白い器に盛ればグリーンサラダの出来上がり。

「うん、上出来」

 それらをダイニングテーブルに運びセッティングしていると、タイミングを見計らっていた大吾さんが淹れたてのコーヒーを両手に持ってやって来た。

「うまそうだな」
 
 大吾さんはそう言うなりサラダを手でつまみ、一口つまみ食いしてしまう。

「大吾さん、手で食べないで箸を使ってください」
 
 子供じゃないんですから……の言葉は飲み込んで、唇を尖らせて怒ってみせる。でもそんな私を気にすることなく大吾さんはサラダをもう一口つまんで食べると、ドレッシングがついた指先をペロッと舐めた。

 その仕草がやけに妖艶で、見てはいけないものを見てしまったかのように顔に熱が集中する。でも、そんな彼から目が離せない。



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