契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 日本酒が好きなだけでは務まらない職場だから、何もかも一から勉強のつもりで頑張らなくては。
 
 香ばしいコーヒーの香りが私を誘っている。私も早く食べようとどこに座るか迷っていると、大吾さんはさも当たり前のように自分の隣の椅子を引いた。

 毎日のことなのだからそろそろ慣れてもいいころなのにいまだに慣れないのは、大吾さんとの距離があまりにも近いから。じっと見つめられるとドキドキが加速して、食事が喉を通らなくなってしまうのだ。

 でも今日は無事に食事を終えることができて、出かける支度を整える。

 服装は無難に、グレーストライプのテーラードジャケットにラップ風タイトスカートのお仕事スーツ。

 会社自体は自由服装で、大吾さんにも特に何も言われてはいないけれど、何ごともはじめが肝心。第一印象が悪くならないようにと選んでみたけれど心配は尽きない。



  
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