契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 それでもいつまでも悩んでいるわけにもいかず、パパッと着替えを済ます。メイクを施しセミロングの髪を整えバッグの中身をチャックすると、大吾さんのもとへと小走りに向かう。

「お待たせしてすみません」
「いや、俺もたった今準備が終わったところだ。今日は紹介だけで仕事はさほどないからな、気楽に行けばいい」
「はい」
 
 大吾さんはそう言って、私の肩をトントンと撫でる。緊張しなくていいという大吾さんなりの気づかいなのだろうけれど、当の本人はそうはいかない。

 初出勤というだけでも緊張は隠せないのに、社長の大吾さんと一緒だと思うと落ち着かなくなってしまう。
 
 どんな一日が待っているのか……。
 
 不安と緊張、それをほんの少し上回る期待を胸に、大吾さんの車に乗り込み会社へ向かった。




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