契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 大吾さんのすることは何もかも刺激が強すぎて、二十七歳だというのにこんなことに慣れていない私は困惑するばかり。

 指の背で輪郭をなぞる──その時点でアウト。大吾さんに囚われた私は、思考回路がおかしくなってしまうのだ。

 それでもなんとか意識を普段の私に戻し、大吾さんに向き直り話を続ける。

「ま、まだ話は終わっていませんし、今晩は酔うわけにいきません」
「わかった。じゃあ、今晩じゃなければいいんだな?」
 
 何故か大吾さんは楽しそうにそう言って、私から離れた。
 
 そういう意味で言ったわけじゃないのだけれど……。
 
 それを今訂正したところで、まるめ込まれるのは目に見えている。次に一緒に飲むのはいつになるかわからないし、そこはあえて追求しないでおく。
 
 しばらく会話もなく美味しい料理とお酒に舌鼓を鳴らしていると、まだ話の途中だったことを思い出す。

「ところで、大吾さん。どうして新ブランドの話を、私にしたんですか?」
 
 ふと疑問に思ったことを、そのまま口にしてみた。



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