一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
今まで1度だって経験したことなかった。


舌と舌がからまる度「もう、どうなってもいい」って…


やっぱり、そう思わずにはいられなかった。


『バーで桜桃羽を見た時から、こうしたいって思ってた』


『嘘…そんなの…有り得ない』


『どうしてそう思う?』


紅月さんは、私の顔を見る。


私も、壁にもたれ、上目遣いで紅月さんを見た。


二重だけど、キリッとした目。


ちょうど良い太さに整えられた眉。


鼻筋の通った、高い鼻。


薄めの唇が私との口づけのせいで、ほんの少し潤んで艶っぽい。


直視出来ないと思った程、ものすごく綺麗な顔だけど…


今は…


自分の自信のない顔を見られるのは恥ずかしいけど、それでも、この美しい顔をずっと見ていたいって…


そう思った。


『私みたいな美人でもない、可愛くもない女…誰も抱きたいなんて思わないです。私は、彼氏に浮気されるような…情けなくて、魅力のない女だから』
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