余命38日、きみに明日をあげる。
アキちゃんは子どもだったから、素直に受け入れられたのかもしれない。
17年も生きて思い出がたくさんある私は、やっぱり死ぬのが惜しくて、死の神なんか受け入れられないんじゃないだろうか。
会ってみたいような、怖いような。
「その時は……琉生にだけは話すね」
きっと、ひとりでは抱えきれないだろう。
この話を聞いても、笑ったり嘘だろうと言わなかった琉生となら、一緒に乗り越えられそうな気がした。
「……ああ、わかった」
琉生が私の頬に流れた涙をぬぐった。コーヒーのぬくもりで温かくなった手で。
そういう琉生の目にも、うっすら涙が浮かんでいた。