余命38日、きみに明日をあげる。
「クリスマスなのに、デート出来ないなんて残念だなあ」
莉緒がポツリと言う。
「これだって十分デートだろ? ほらイルミネーションも見えるし、クリスマス感満載だろ?」
ここから見える並木には、電飾がまかれていて、街を明るく照らしている。
赤や緑や黄色。とても華やかだ。
「うん、そうだね。いつもここから見てるけど、琉生と一緒に見たらいつもより何倍もきれいに見える」
そう言って、俺に顔を戻した莉緒に。
──チュッ。
不意打ちのキスをした。
「……っ、琉生ってばぁ……」
みるみる顔が赤くなる莉緒。
もう何年も俺と一緒にいるのに、いちいち恥ずかしがるところは、やっぱり女の子だ。もっとも、俺は莉緒を女の子としか見てこなかったけれど。
「少し横になったら?」
俺が来てからずっと体を起こしていた莉緒が心配で、そう声をかけた。
「うん」
やはり、少し疲れていたのか素直にベッドの中にもぐりこむ。