君のブレスが切れるまで
あれがお気に入りの傘だったら、これは使ってもらえないかもしれないけど……もしも、使えなくなった時用にプレゼントしてもいいよね。
ようやくプレゼントが決まり、私はレジへと向かう。がこの時、時間に押され大事なものを見落としていた。
「12500円になります」
男の店員さんにそう告げられる。
傘だと思って高をくくった影響だ、私は背中に嫌な汗を感じる。
いつも持ち歩いている財布とは別の財布を取り出し、その中を覗くと――
……もう少しだけ足りない。この財布には私が稼いだお金しか入っていなかった。
雨は私にある程度、生活費的なお金を渡してくれる。だが、プレゼントの為にそれを使う予定はなかった。だから、もう一つの財布は部屋に置いてきている。
諦めるしかない、残念だけど。
「ごめんなさい……ちょっと持ち合わせが足りな――」
「こらっ!」
急に後ろから大きな声が響き、私は肩を跳ねさせた。
「クリスマス前なんだから五千円以上をお買い上げのお客様は20パーセントオフ! まだ就業時間中なんだから最後まできちっと仕事する!」
「し、失礼しました!」
「もう……私がやるから君は他の作業をしてて」
さっき陳列作業をしていた女の店員さんだ。彼女にそう言われると男の店員さんはレジから早々と立ち去っていく。
ようやくプレゼントが決まり、私はレジへと向かう。がこの時、時間に押され大事なものを見落としていた。
「12500円になります」
男の店員さんにそう告げられる。
傘だと思って高をくくった影響だ、私は背中に嫌な汗を感じる。
いつも持ち歩いている財布とは別の財布を取り出し、その中を覗くと――
……もう少しだけ足りない。この財布には私が稼いだお金しか入っていなかった。
雨は私にある程度、生活費的なお金を渡してくれる。だが、プレゼントの為にそれを使う予定はなかった。だから、もう一つの財布は部屋に置いてきている。
諦めるしかない、残念だけど。
「ごめんなさい……ちょっと持ち合わせが足りな――」
「こらっ!」
急に後ろから大きな声が響き、私は肩を跳ねさせた。
「クリスマス前なんだから五千円以上をお買い上げのお客様は20パーセントオフ! まだ就業時間中なんだから最後まできちっと仕事する!」
「し、失礼しました!」
「もう……私がやるから君は他の作業をしてて」
さっき陳列作業をしていた女の店員さんだ。彼女にそう言われると男の店員さんはレジから早々と立ち去っていく。