政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 初恋っていうのは、次の恋があるから言うものだと思うし、文也のことはもうすべて忘れよう。

 でも次にする恋が最後の恋であってほしいと願ってしまう。あんなつらい想いは二度としたくないもの。

 だけどみんな、私より多くの恋を経験しているものなんだよね? そう思うとすごいな。恋の終わりを経験してもまた誰かを好きになる勇気を持つことができるのだから。

 もしかしたら私は、零士君と向き合おうとしていても、まだ次に恋する勇気が出ずにいるのかもしれない。

 ゴミをまとめ終え、もう一度スマホを見ても零士君からの連絡はない。今夜もひとり分のご飯だけでいいのかも。

 今朝の味噌汁が少し残っていたし、お漬物もある。あ、たしか冷蔵庫には納豆もひとパックあった気がする。

 夕食の献立を考えながらキッチンに入ると、インターホンが鳴った。

「誰だろう」

 すぐにモニターを確認すると、見知らぬ男性が映っていた。

『お待たせしました。ケータリングで伺った者ですが』

「ケータリングですが?」

 心当たりがなくて、聞き返してしまった。
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