政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 キッチンには人がいるのに。見られていないよね?

 気になってソワソワしていると、零士君は私の肩に腕を回した。

「大丈夫、見られていないよ。べつに見られてもいいじゃん。仲が良い夫婦だとしか思われないよ」

「そうかもしれないけど、恥ずかしいよ」

 こうして肩に腕を回されて至近距離で見つめられているのも、すごく恥ずかしい。

「恥ずかしいだけ? 俺にキスされるのは嫌じゃないんだ?」

 また意地悪な零士君になって、私の答えを待っている。

 聞くまでもなく私の答えなんてわかるくせに。

「知らないよ」

 プイッと顔を背けると、零士君はまた笑う。

「アハハッ。そうやってむくれる凛々子も可愛いから困るよ」

 サラッと『可愛い』と言えちゃうのもずるい。私はそのたびに心を乱されているというのに。

 一枚も二枚も零士君のほうが上手(うわて)で一生敵わない気がする。

「話しは戻るけど、今週末は休めそうなんだ。だからデートしよう」

「疲れていないの?」

 せっかくの休みなのに大丈夫? 新婚旅行から戻ってきてから、まともに休んでいないのに。
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