政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「大雅(たいが)、戻ってきなさい。だめだろ? みんな並んでいるんだから横入りしたら」

 父親は男の子、大雅君を迎えに来たくても人がいっぱいで来られない様子。すると零士君は大雅君を抱き上げた。

「ほら、大雅君。これならイルカさん見えるだろ?」

「うん! ありがとうお兄ちゃん」

 大喜びする大雅君。零士君はうしろにいる父親に向かって言った。

「大雅君のお父さん、大雅君なら僕が責任を持ってイルカのショーが終わるまでお預かりします」

「え? でもそんな申し訳ないです」

「大丈夫です。終わるまでお預かりしますね」

 そう言うと零士君は大雅君にイルカはどこから出てくるのか、どんなジャンプを見せてくれるのかなど話し出した。

 すごいな、零士君。子供の扱いに慣れている。

 それに迷うことなく手を差し伸べちゃうところが、すごくカッコいい。

「ごめん、凛々子。勝手に決めちゃって」

 申し訳なさそうにコソッと耳打ちしてきた彼に首を横に振った。
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