政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「ううん。だけど大丈夫? ショーは三十分くらいあるみたいだけど、その間ずっと抱っこしてて」

「大丈夫。意外と体力はあるほうだから。あ、始まった」

 それから大雅君と三人で、イルカの華麗なるジャンプや泳ぎに魅了された。

 三十分間はあっという間に過ぎ、私たちは大きな拍手を送った。

「イルカさん、すごかったな」

「うん、すごかった! お兄ちゃん、抱っこしてくれてありがとう!」

 満面の笑みで零士君に言うと、大雅君は今度は私に向かって言った。

「お姉ちゃん、一緒に見てくれてありがとう! でも僕のせいでお兄ちゃんとのデートを邪魔しちゃってごめんね。お姉ちゃんもお兄ちゃんに抱っこされたかったよね」

「えっ?」

 目をパチクリさせた後、大雅君が言ったことを理解して顔がみるみるうちに熱くなる。

「えっと、その……」

 これは非常に返答に困る。大雅君は純粋に心配して言ってくれているわけだし。どう答えればいいの?

 チラッと零士君を見ると、必死に笑いをこらえている。
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