政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 暗転されていて、水槽の中で優雅に泳ぐくらげを鑑賞することができる。

「見て、凛々子。くらげがいっぱい」

「綺麗」

「あぁ、暗闇の中でライトアップされていると、こんなにも綺麗に見えるんだな」

 しばし足を止めて眺めていると、展示スペースの入口で年配の女性が乗った車椅子を押す、同い年くらいの男性がやってきた。

 だけど入口に少し段差があるようで、入れない様子。

「凛々子、手伝ってあげよう」

「……うん!」

 私も今、同じことを考えていた。でも勇気が出なくて言い出せずにいたのに、零士君は違うんだ。ちゃんと行動に移せる勇気を持っている。

 思っていても行動しようとしなかった自分が情けなくなりながらも、零士君とともに駆け寄る。

 零士君が「お手伝いします」と言うと、男性は「ありがとうございます」と深く頭を下げた。

 女性にも「すみません」と言われながら、私たちも手伝って段差を超えることができた。

「本当にありがとうございます。助かりました」

「いいえ」
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