政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 なんとなく一緒に見る流れになり、ゆっくりと展示されているくらげを眺めていると、女性が聞いてきた。

「ご夫婦でいらしたんですか?」

 夫婦と言われ慣れていない私に代わって、零士君はすぐ「はい」と答えた。

「そうですか、いいですね。……私たちも昔から何度もふたりでここに来ていたんです。でも私がこういう身体になっちゃって、もう来ることを諦めていたんですが、主人が連れてきてくれて」

「息子に車椅子の貸し出しをしているか調べてもらいましてね」

「こうしておふたりのように親切にしてくださる方もいらっしゃるし、また来たくなっちゃったわね」

「あぁ、そうだな。何度でも来よう」

 ふたりの話を聞き、目頭が熱くなる。

 お互いを大切に想い合っているのがこっちにまで伝わってくる。なんて素敵なご夫婦だろう。

 出口にも段差があり、お手伝いした私たちに何度も感謝してふたりは次のスペースへと向かっていった。

「理想の夫婦そのものだな」

「……うん」

 ふたりを見て、私も零士君とあんな夫婦になりたいと思ってしまった。なれるかな?

 すると零士君は再び私の手を包み込んだ。
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