政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 退場ゲートを抜けて駐車場に着くと、また零士君は助手席のドアを開けてくれた。

 紳士な振る舞いにはまだ慣れなくて、「ありがとう」と言って乗り込むと、ドアを閉めてくれた。

 そして運転席に乗り込むと、彼が車を発進させる。

「夕食も食べていこう。ある店を予約してあるんだ」

「うん」

 至れり尽くせりで申し訳なくなるくらいだ。零士君はどこのお店を予約してくれたんだろう。

 彼のことだから、きっとどこか有名なレストランや老舗の割烹料理店かな?

 しかし予想に反して着いた先はお好み焼き店。しかもこのお店、たしか文也と初デートの日に立ち寄ったところだ。

 車から降りたまま店を見上げて立ち尽くしていると、車の施錠した零士君が隣に立った。

「言っただろ? 凛々子の思い出を塗り替えるって」

 得意げに言う彼を見れば、にっこりと微笑んだ。
< 122 / 225 >

この作品をシェア

pagetop