政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「えっ? これから?」

「あぁ。明日の会議用の資料を作らないといけないんだ。今日は疲れただろ? だから気にせず先に休んでいいよ」

 次第にキッチンには珈琲の芳しい香りが漂う。それをカップに注ぎ、零士君は「おやすみ」と言って書斎へと向かった。

「おやすみ」

 そう返したものの、本当にこのまま先にお風呂に入って寝ちゃってもいいのか迷う。

 かと言って、私に手伝えることなどない。彼の言う通り先に寝たほうがいいのかも。

 ふと、冷蔵庫が目に入る。

 そうだ、明日会議に挑めるように朝食を用意しよう。それなら、お弁当も作ってみようかな。

 零士君、私の料理を楽しみにしているって言ってくれたよね。作っていらないって言われたら、私がお昼に食べればいいし。

 だったら今夜のうちに仕込みをしておこう。ちょうど食材をたくさん買い込んできてよかった。

 手を洗ってエプロンを付け、零士君の仕事の邪魔にならないよう、できるだけ物音を立てずに調理を開始した。
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