政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 笹野さんは私以上にびっくりしていて、目を瞬かせている。

「ちょっと待ってください。私は零士さんに付き添ってほしいです。……ううん、零士さんにはその責任がありますよね? だって私、凛々子さんのせいで火傷したんですよ?」

 責め立てるように言って笹野さんは、勢いよく立ち上がった。

「本当に熱かったんですから。それに私、凛々子さんにあんな怖い顔で珈琲をかけられて、トラウマになりそうです」

 泣き声で言うと笹野さんは零士君の腕にしがみついた。

「ねぇ、零士さんお願い。病院に付き添って」

 潤んだ瞳で見つめる笹野さんに、零士君はどう返すのだろうか。

 やっぱり私のことを信じてくれない? 笹野さんの言葉を信じる? もしそうなら私、耐えられないよ。

 零士君にどうしてこんなことをしたのかと責められることを考えただけで、胸が苦しい。泣きたくなる。
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