政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「すっごい満喫したな。あと一時間で閉館だけど、最後に見たいところある?」

「大水槽をもう一回見たいんだけどいい?」

「もちろん」

 ここの水族館の目玉のひとつでもある、約五〇〇トンの海水が入った大水槽には、一〇〇を超える様々な生き物を見ることができる。

 目の前にはベンチが設置されていて、初デートの時もベンチに並んで腰かけて、生き物を眺めながらいろいろな話をした。

 付き合いたてだったからお互いの話をして、すごく盛り上がったよね。私にとって思い出深い場所。そこで零士君のことを打ち明けたい。

 閉館時間も迫っており、今日最後のイルカショーもやっていることから、大水槽の前には誰もいなかった。

「お、貸切じゃん。最高」

 私にとっても好都合だ。これなら人の目を気にすることなく話しができる。

「座ってゆっくり見ない?」

「そうだな」

 初デートの時に座った場所と同じところに腰かけて、目の前の水槽を眺める。

 小さな魚に大きなエイなど、多くの生き物たちが優雅に泳ぐ姿はいつもだったら、見ているだけで癒される。
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