政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 そんなの、知りたいに決まってる。

「うん」

 返事をすると、彼はゆっくりとこちらを見た。

「千鶴から聞いていたんだ、凛々子が最低な男と付き合っているって」

「えっ? 千鶴ちゃんが?」

 千鶴ちゃんが零士君に話したの? しかも「最低な男」ってどういうこと?

 疑問は増えるばかりの私に、零士君はひとつひとつ説明してくれた。

「千鶴を責めないでやってくれ。……あいつは凛々子が付き合っている男が、大学内で友達と凛々子の話をしているのを偶然聞いたんだ。そいつが凛々子の家柄目当てで近づいただけだって。すぐに凛々子に知らせようとしたが、凛々子の気持ちを思うと言えなくて、俺に相談してきたんだ」

 そうだったんだ。

 ふと、以前千鶴ちゃんに会った時に言われた言葉が頭をよぎる。

 そういえば千鶴ちゃん、『私は友達として、凛々子ちゃんには幸せになってほしいと思ってるの。そのために私にできることをさせてもらうからね』って言っていたよね。

 それはすべて、文也の本性を知っていたから?

 そうとは知らず、私はいつも文也の話を千鶴ちゃんにしていたよね。どんな思いで私の話を聞いてくれていたのだろうか。

 彼女の気持ちを思うと、泣きそうになる。
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