政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 お互い言葉を発することなく、どれくらいの時間が過ぎただろうか。

「お客さん、コンビニありましたけど寄りますか?」

 運転手の声にお互い反応して我に返った。

「はい、お願いします」

 私の目から手を離し、コンビニの前にタクシーが停まると、零士君は降りていった。

 胸に手を当てると、いまだに心臓の動きが速い。

 本当に私ってば、どうかしている。零士君相手にドキドキするなんて。

 心を落ち着かせる時間もなく、零士君はなにかを買ってすぐに戻ってきた。

 そして新たな行き先を告げると、タクシーは再び走り出す。

「凛々子、ケガしたほうの手を出して」

 言われるがまま手を出すと、傷の手当てをしてくれた。

 どうやらコンビニに寄ったのは、消毒液や絆創膏などを買うためだったようだ。

 だけど、どうしてこんなに優しくしてくれるの? 相手は私なのに。

「さっきの話しの続きだけど」

 そう切り出した零士君は、傷の手当てをしながら続ける。
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