政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 そんな我が家の事情を知る零士君は、私を楽しませたいとフランス、そしてこの次に行く予定のイタリアのガイドブックを大量に買い込み、有名な観光地から名物料理、おすすめスポットまでピックアップしてくれた。

 すごく楽しそうに旅行の計画を立てる零士君に、私はなんとも言えない気持ちになった。

 素直に言えば嬉しい。自分のためにやってくれているのだから。でも零士君が私を喜ばせるために行動してくれることに、やっぱり慣れなくて変な感じがするし、なにより卒業を控えた学生の私とは違い、彼は社会人で超多忙。

 そんな中、結婚式の準備も一緒にやってくれたのに、旅行の計画までさせてしまうことに申し訳ない気持ちもあった。

 もちろん私が計画を立てると何度も言った。だけど決まって彼は「楽しいから苦じゃない」「これは俺にやらせて」って言うんだ。

「着いたらさっそく観光するぞ。時間はいくらあっても足りないくらいだ」

「えっ? 一週間近くあるのに?」

「あぁ」

 いったいどんなスケジュールを組んだんだろう。

 ちょっぴり不安になりつつ、飛行機は無事に着陸。
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