政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
「これからも俺の前でだけは、ありのままの凛々子でいてほしい。俺も凛々子の前では、もう自分を偽らないから」

 零士君は私の肩に腕を回して、自分のほうに引き寄せた。

「素直な想いを凛々子に伝え続ける。今はこうして凛々子と新婚旅行に来られていることが、たまらなく幸せだよ」

 しみじみと言われると、恥ずかしくて顔が熱くなる。

 愛の言葉を囁かれることに慣れない。その相手が零士君だから。

 なんて返したらいいのかわからずにいると、そんな私に気づいたのか、零士君は髪を撫でながら「大丈夫、凛々子がなにも言わないのは照れているからだって、ちゃんとわかっているから」と言われてしまった。

 彼に肩を抱かれて路面電車に揺られること数分。降りてから坂道を登って向かった先はモンマルトルの丘。

 パリで一番大きな丘だ。そこに建つのは、気品あふれるサクレクール寺院。

 内部に入ると、天井が高くて正面には荘厳なモザイク画が描かれていた。
 そしてドームに登ると、パリの絶景が広がる。

「素敵」

「あぁ。何度見てもパリの街並みは飽きないな」

 肩を並べ、しばし綺麗な街並みを眺める。
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