政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 でも仕事をするって、とても大変なことだよね。責任が生まれるもの。

 それはどんな仕事も同じだと思う。それなのに私ってば、文也がいれば、なんでも乗り越えられる!なんて、夢みたいな気持ちでいた。

 冷静になって考えれば、そう簡単に生きていけるわけがないのに。

 反省していていると、零士君があるショップの前で足を止めた。そこはジュエリーショップ。

 店頭の窓ガラス越しに見える商品をジッと見つめる彼に、「零士君?」と声をかける。

 すると零士君は私の様子を窺いながら聞いた。

「嫌なことを思い出させて申し訳ないけど、聞かせてほしい。……凛々子はあいつにこういった物をプレゼントされたことがあるのか?」

「えっ?」

 零士君に聞かれて並んでいる商品に目を向けると、そこには指輪やネックレス、イヤリングといった身につけられるアイテムが並んでいる。

「ううん、ないよ」

 一度も文也から高価なプレゼントをされたことなどなかった。誕生日やクリスマスは、ふたりでどこかに出かけてそこの入場料などを払ってもらうのが、プレゼントみたいな感じだったから。
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