政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 お父さんはたしかに会社を経営しているし、それなりに裕福な暮らしをさせてもらっていると思う。

 でもお金に関しては厳しかった。お小遣いは友達の誰よりも少なかったし、欲しいものがあっても、本当に必要なものしか買ってもらえなかったもの。

 大学生になったらお小遣いはなく、社会勉強も兼ねてバイトをして自分で稼ぎなさいって言われたほど。
 それを友達に話せば、みんな私から離れていった。

 大学でも新たに友達ができて、恋もできるかもしれないと期待していたのに、現実は違っていた。

 私は早々に親しい友人を作ることを諦めて、学業に専念し、バイトに明け暮れた。
 友達なら千鶴ちゃんや高校まで一緒だった子たちがいる。それで十分。あとは少しでも零士君との結婚を前に、自由な日々を満喫すればいい。

 そう思って二年が経った頃、バイト先の本屋に新しい人が入ってきた。それが文也だった。
 同い年ということもあり、私が教育係につくことになった。

 明るくて人懐っこくて、誰にでも分け隔てなく接してくれる人。そんな彼と話していくうちに、同じ大学だということが判明。
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