政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
 文也のことを思い出す暇もないほど、零士君で私の頭の中はいっぱいにさせられた。

 そのおかげでこんなにも早く立ち直ることができたんだ。

 素直な想いを伝えると、千鶴ちゃんはキュッと唇を噛みしめた。

「私、本当に全力で凛々子ちゃんの幸せを応援しているから! その点、うちのお兄ちゃんはオススメなの。ちょっとこじらせていて重い時があるかもしれないけど、でも凛々子ちゃんに対する愛情は本物だから、それだけは信じてあげて」

「……うん」

 もう疑ったりしない。零士君の気持ちを。

「ありがとう、千鶴ちゃん。……私ね、新婚旅行で零士君と一緒に過ごして、幼い頃からの付き合いなのに、零士君のことをほとんど知らないことに気づいたの。だからこれから少しずつでもいいから知りたいと思ったし、その……零士君のことを、好きになれたらって思ってる」

 私と零士君はもう夫婦関係にある。零士君は大手企業の次期社長になる立場にあって、私だってお父さんのメンツがある。

 そう簡単に離婚なんてできないだろう。
< 95 / 225 >

この作品をシェア

pagetop