溺愛予告~御曹司の告白躱します~
えっと…。言いたいことは色々とあるけれど……。
「いくらハウスメーカーの御曹司だからって『優良物件』呼びはどうですかね。ちょっと安直じゃないかと」
「はぁ?」
「じゃあ肉の卸問屋の御曹司はシャトーブリアンって呼ぶのかと。航空会社の御曹司はエアバス?」
「…意味がわからない」
…ツッコミスキルはないらしい。まぁ冗談は置いといて。
「結構長く付き合ってたんですよね?それなのに、蓮の良いところが見た目と肩書しか思いつかないの?」
私の言葉が想定外だったのか、ムッとした表情で言い返してくる。
「あなただって蓮くんが大企業の御曹司だって知ってて付き合ってるんでしょ?」
「まぁ、会社の同期だし知ってたけど」
「それなら一緒じゃない。むしろ自分の勤めてる会社の御曹司狙うあたり、あなたの方がしたたかでしょ!」
どちらかといえば狙われてたのを必死に躱してたんだけど…と思い返していたら、反論するタイミングを失ってしまった。
「長く付き合ってたっていったって形だけ。デートは私がうるさいから連れてってくれただけで、行きたい場所も食べたいものも全部私から言いだしてばっか。サプライズをされたこともない。就活以降はほとんど会ってすらいなくて…。愛想もないし優しくもない。高価なプレゼントをもらうことだってなかった」