溺愛予告~御曹司の告白躱します~

そもそも就活で頼ろうなんて図々しすぎるでしょ。

当時どんだけ苦労して人気企業である水瀬ハウスの内定を貰ったと思ってんの。甘えてんじゃないですよこのばかちんがぁ!…とは声に出して言わないけどさ、熱血先生じゃあるまいし。

でも蓮のことを悪く言われたままではいられなかった。

「ちゃんと優しい人だよ。良いところも数え切れないくらいある。御曹司って肩書なんか霞むくらい」

普段はわりとポーカーフェイスだし、人懐っこいタイプでもない。確かにわかりやすい優しさを全面に出す人ではない。

でも過保護なほど心配性で、仕事熱心で、こっちの話を真剣に聞いてくれて、ボケたら必ずツッコんでくれる。

決して冷たい人なんかじゃない。とってもあたたかい人。

「なんてったって、ココア男子だから」
「は?ココア男子?」

神妙に聞いていた蓮の元カノの顔に『意味がわからない』と書いてある。

きょとんした顔が可笑しくて笑いそうになっていると、飲み物を買ってきてくれた蓮が帰ってくるのが見えた。

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